今回は接着性ブリッジの奥歯編です。

インプラントにどうしても抵抗感がある方は、「接着性ブリッジ」がお勧めです。

最近、接着性ブリッジを考えているという方からお問合せメールを頂いたので、せっかくなので皆様にもご案内致します。

この症例では、左下奥歯（左下6番、×が付いている歯）が破折により抜歯となってしまいました。

全身的な骨のご病気があり、インプラントを長期的に維持するのが難しい可能性があったため、「接着性ブリッジ」を行うことにしました。

ブリッジのために歯を削った後の写真です。もともと金属の詰め物が入っていたためそれを外して、少し修正を加えるだけ済みます。

歯を削った後の写真です。ほとんど歯が残っていますね。

院内技工士がセレックシステムで製作します。朝来て頂き、夕方には装着できます。いわゆるOne day treatment .

接着性ブリッジは適合が命です。そのためには型を取ったらすぐに装着しないといけません。

当院にはセレックシステムと呼ばれる院内技工システムがあり、スキャンしたデータから即日にジルコニア製の接着性ブリッジを製作できます。

院内技工室にあるミリングマシン。これでジルコニアブリッジを削り出します。

完成したジルコニアブリッジです。

装着したところの写真。院内で歯科医師と技工士が一緒にデザインを決めているため、予定通りの歯が仕上がってきます（院外の技工所への発注は歯科医師の意図の伝達がかなり難しい(-_-;)）

一般の方であれば、どこにブリッジが入っているか分からないかもしれません。
治療後1年経過時の写真です。全く問題ありません。素晴らしい適合なので、虫歯の心配もほぼありません。

まとめますと、

奥歯の接着性ブリッジの

利点

・従来のブリッジよりも圧倒的に削る量が少ない

・当院においては、即日で歯が入る（当院では、従来型のブリッジでも即日に歯が入りますが）

欠点

・従来型よりは、脱離しやすい⇒脱離しても再装着できることがほとんどです。それでもだめなら従来型ブリッジにすればよい）

・インプラントと比較すれば、やはりインプラントの方がメリットが多い

・金額は、当院では104500円×3本　即日希望ならば+22000円の特急料金がかかるので、インプラントとあまり変わらない（インプラントは35万円）

現代の歯科治療においては、歯が無くなった時の選択の順番としては

1.　インプラント

2.　接着性ブリッジ（保険適応外のジルコニア）

3.　従来型ブリッジ　（保険適応外のジルコニアか、保険適応の銀歯）

4.　部分入れ歯

5.　放置

です。

以上、奥歯の接着性ブリッジについてでした。